山奥の里山の石徹白のさらに奥の奥山から沁みだす源流の一滴。
熊やカモシカが徘徊している場所を二本足の私達が四足のように歩いて出逢う。
この一滴。
山肌の穴から苔を伝って滴り落ちる様。
思わず手を出して口に含む。
なんとも言えず澄んだ命の粒が私の身体に満ちてくる。
ああ、まだ生きている。
ほんの100日前には想像だにしなかった世間の状況。
石徹白に住んでいると他人事のように感じる時もあるが、
1月から我が家は災害モードに切り替えたのも現実だ。
東日本大震災で気づいたことを改善し準備して整えてきた今。
不完全とはいえ、最低限は十分に確保できる状況。
「生き物として生きる」という私の人生訓につながっている暮らし。
ここ石徹白で生きることに不安はない。
しかしゼロでもない。
どんな時も、どんなものでも、ゼロとか100%とかは無いと思う。
だからこそ、体温計で測るように、
自分の心模様も検温しておくのがいい。
不安があって当たり前。
前代未聞の出来事であり、
歴史に刻まれる今だから。
もっともらしいことを誰かが言ったとしても、
それも可能性の一つでしかない。
答えはどこにもない。
希望もどこかに必ず在る。
私達は一人ひとりが名前を持ち、それぞれの特徴があり、
得手不得手もあり、不完全な存在だから。
国民と言う記号ではなく、
高齢者とか若者というカテゴリーだけでもない。
新型コロナで日本列島の全てに緊急事態宣言が発令された本日。
鶯が鳴きはじめた山際には新しい芽吹きがそこかしこ。
夜空には満天の星。
来週は雪マークの予報あり。
激動の時代にあっても今ココから一歩ずつ。
源流の一滴をどのように汲み取り流れに乗っていくのか。
それもまた、私達一人ひとりの心模様次第なのであーる。
歩こうぜ!