息子と2人で2時間ほどの山菜パトロール。
道路から森へ。
人間社会の気配が消えていく。
小さな手足で斜面の太い木に登りはじめる。
怖くて登ることも降りることもできなくなる。
半べそになる。
足元に鹿の糞で大興奮。
できるだけ私は後ろをついていく。
面白いものがあったら触ってみる。
苔がふわふわで、あちこちにある。
おススメされる。
前になかなか進まない。
隙あらばおんぶか抱っこをせがんでくる。
感情の起伏が激しくなる。
雨がぱらついてきた。
山菜のありかを点検。
1年前の私達の痕跡がわかる。
水の音が聞こえる。
湧水だ!とテンション上がる。
川に遭遇。
帰りたくなる。
鹿の鳴き声が聞こえる。
喜ぶ。
下り始める。
軽トラックまで連れて帰ってほしいと父が頼む。
息子に手を引かれて歩く。
山鳥の羽音でふりかえる。
登り始めた方向とは違うところへ進む。
どんどん下る。
森の端で軽トラックが見えてきた。
寸分たがわずピッタリなことに驚く父。
目の前は崖。
そこにつけられた獣道。
なんと最短距離で帰還。
全く見えない目標物へ向かって歩くことができる本能。
人が生き物として元から持っているチカラに気づく瞬間でした。
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